やっぱりデ・ニーロがすごいけど、アン・ハサウェイもさすがだった『マイ・インターン』。

あらためて『マイ・インターン』の感想。

ネット通販で成功したジュールズ(アン・ハサウェイ)のもとにシニア・インターン制度を利用して定年退職し妻を亡くした70歳のビル(デ・ニーロ)がやってくる。はじめは使えないのだろうとバイアスかけてたジュールズ。ビルは気配り目配り心配りに加えてチャーミングな人柄であっという間に職場では若手に信頼され頼られる存在に。運転手代わりに使っていたジュールズも彼がそばにいると自信が湧いて安心できることに気づく。ビルを秘書として重要な仕事を任せパーソナルな問題も相談する間柄になっていく、という話。

私が素晴らしいなあ。やっぱりこの二人、と思ったのは、ジュールズが夫の浮気に悩んでいることをビルに打ち明けるシーン。アン・ハサウェイは首筋から顔まで真っ赤にして怒りや悲しみ、自責の念を語る。顔で演技するのはわかるけど、胸のあたりから首筋まで真っ赤になっている。あんなこと演技でできるのかなあ。怒りと悲しみがからだ全体からこちらに伝わる。

それを聴いているビル(デ・ニーロ)の表情と受け答えがすばらしい。これ悩みを聴く人のお手本だと思う。彼女への共感、思いやりがひとつひとつのちょっとした表情に立ち現れる。

爆笑しけっこうはらはらするのが、ジュールズが誤って送信したメールを破棄するために、彼女の母親宅に忍び込場面は秀逸。ここは視聴した人はわかると思う。

これお仕事映画とか部下と上司関係がテーマとか、そんな風に思ったけど、人が人を尊敬しあう。信頼しあうことを描いた映画だった。テーマはそこに尽きると思う。

私は前のページで書いたように、人は信頼しない。システムを信頼することに決めた。そんな時にこの映画をみた「偶然性」(いま九鬼の御弟子さんの本を読んでいる)。これは現実世界ではありえないと思う。映画だからほんわかできる。人の世ではこうはいかない。人とひと、チームワークなんて「共同幻想」だ。だからこそ映画で描いてみせる。だからエンターティメント。