読書メモすこし。

あす19日は、大相撲夏場所そして『半沢直樹』新作が始まる。ゆうべはN響が5か月ぶりにNHKホールで演奏(無観客)。FMでライブを聴いたけど、やっぱりオケはいいな、と。

人数を制限しての編成が難しいらしく選曲に苦労したようだ。ベートーヴェンなら第九は無理、田園も難しい。ということで交響曲1番。モーツァルトはディヴェルティメント。演奏者同士の距離を開けての演奏だった。

少し実験的な面もあったようだが、解説者の船木さんがこれなら(音楽的に)いけると語っていた。でもこのままの感染状態ならば暮れに第九はどうなんだろう?

来週のミーティングの準備をしていてあまり頭が回っていないけど、この本を合間に読んでいた。読むのは2回目なんだけど、1度目より、2度目のほうが発見が多かった。

母親の孤独から回復する 虐待のグループワーク実践に学ぶ (講談社選書メチエ) - 村上 靖彦
母親の孤独から回復する 虐待のグループワーク実践に学ぶ (講談社選書メチエ) - 村上 靖彦

森田ゆりさんのプログラム「MY TREE」を使っての虐待予防のための母親グループ。参加した母親たちは我が子に対して虐待の「加害者」であるが、彼女たちもまた子ども時代に親から虐待やネグレクトを受けている。

著者はこのグループの参加者とファシリテーターにインタビューし、それについて分析、考察をした。「オープンダイアローグ」と同じくキーワードのひとつは「ポリフォニー」だ。「バッハの魅力はポリフォニーですね」というときの、あの「ポリフォニー」。


MY TREEは一〇人の異なる語りによって織られていくポリフォニーとして性格づけられる。一〇人の異なる声が響くからだが、それだけではない。お互いがお互いの語りを聴き、語りは触発し合いながら連鎖するため、一〇の声が密接につながり、一つの場を作るがゆえに、ポリフォニーとしての性格を持つ。「ポリフォニー」という言葉で、私は一〇人の異なる声が一つのグループを作ることを言おうとしている。単にバラバラの一〇の声が並列するのではなく、一〇の声が互いに響き合い、連鎖するのだ。
村上靖彦著『母親の孤独から回復する』講談社選書メチエ、2017年)


基本アノニマスなグループであるが、ファシリテーターが3名入る。AAの影響も若干感じるが、当事者性というよりは、やはり治療グループに近いような印象をもった。著者は、グループのもつ「安心感」をウィニコットの「ホールディング」という言葉で分析している。

7月7日に家で仕事をしていたら、パトカーと救急車のサイレンが鳴り響いた。駅前近くのマンションで3歳女児がシングルマザーの母に8日間放置されたあげく亡くなり、その日に母親が逮捕されたのだ。放置した23歳の母親はエアコンをつけて食べ物を置いていった、死ぬとは思わなかったと供述している、と報道されていた。

母親自身が8歳時に両親より身体的虐待を受けていて、両親はそれにより逮捕。母親は児童養護施設で育ったということを文春オンライン、毎日、産経がその後報道した。

この本を読んでいると、母親自身に虐待体験がある場合そこからの回復がないと子育てに必要な「スキル」が身につかないのではないかと考えさせられる。

3歳の子がこの梅雨時にその日の気温にあわせてエアコンを自分で微調整するなんていうことができるわけはない。これは持病を持つおとなでも難しい。何よりそもそも8日間をひとりでしのげるわけがない。

虐待された体験を持つ親たちのナラティブが必要で大切だ、と思う。