『半沢直樹』前半の短い感想。

毎週楽しみにみている『半沢直樹』は4話で前半戦が終了。半沢は出向先の証券会社から銀行本店に戻った。振り返ると、13年に放送された半沢は1話からみていた記憶はない。3話くらいからか。このブログの13年の夏の記事に少し半沢のことを書いているものがあった。

思うに、シーズン1と現在放送中のシーズン2の違いは、半沢の私憤から公憤へ、intraからinterへ、利己から利他への変化、という感じがする。

S1の物語のはじまり、半沢の発意は町工場を経営していた半沢父を自死に追い込んだ大和田に対しての私憤、助けてくれなかった銀行幹部への怒りだった(あくまでわたしの理解)。

S2の前半では、その私憤が公憤になっていた。だからなんとなくS1のほうがストーリーの肝がつかみやすく面白かったかなという感じもしないではないが、S2はまた違った質の面白さがあって目が離せずザッピングなどする気もない。

S2前半の原作という『ロスジェネの逆襲』は読んでいないけど、良い仕事をするという気概をロスジェネ世代の若手に伝える役割が半沢にあり、それを意識的に自分に課しているように思えた。銀行や企業、上司の理不尽をただすプロセスにおいて折々にそんな半沢の姿勢がみえた。

S1は同期との友情、横のつながり描かれていたけれど、S2はロスジェネ世代を励ますような、部下と上司、若手と中間管理職という縦のつながりがよかった。

私憤から公憤への半沢のこころの変化、若手に伝えたい気持ちにおいての、intraからinter、利己から利他への変化は、たとえば前半のクライマックスで、半沢が自身の「仕事の型」について部下の森山に話す場面に象徴されていたように思った。半沢の考える「仕事の型」は3つ。

1.正しいことを正しいと言えること
2.組織の常識と世間の常識が一致していること
3.ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること

自分のためだけの仕事ではこの3つは達成されない。仕事はお客様のためひいては世の中のためであることが大原則。自分のためだけに仕事をするから組織は内向きで卑屈でみにくく歪んでゆく、と半沢は森山に「それを伝えたかった」と語る。

銀行に戻ることが決まった別れの場面で、証券会社の部下たちから一言求められ「君たちの逆襲をいや倍返しを期待している」とエールを送る場面は、おばさんでもちょっと勇気もらった。私憤の象徴のようだったintraワード「倍返し」が、公的でinterな「倍返し」となった場面だった。

私憤が公憤へと変化した一番の象徴的出来事は、半沢の私憤のど真ん中にいた天敵大和田常務との「共闘」といえよう。

次回からは舞台は航空会社とメガバンクそして政府というスケールになり、女性国土交通大臣とバトルになるみたいだ。

背景が美しいのもこのドラマの魅力だと思う。CGらしいけど東京タワーをバックにした増上寺でのシーン(悪役二人のシーンだったけど)、映像が美しかった。東京でわたしの好きな場所だ。定期通院に行く母とよく散歩した。